NO88 アル・ディメオラ AL・DIMEOLA
CD | ELEGANT GYPSY |
IMPRESSION | ’54生まれ。 20才の時にかのチック・コリア率いるリターン・トゥ・エヴァーに参加。 私がこの人のことを知ったのは高校生の時。その頃私はヘビー・メタルに夢中で毎日ヴァンヘイレンやイングヴェイなどの速弾きパートだけをひたすら練習していた。 そんな頃だったから彼の作品を聴いた時はちょっとした衝撃だった。速くて複雑で長くて、更にミュートしてたりしていったいこれは何なんだと。 以来かなり長い間彼の作品は聴いてきたが、実のところ一人のアーティストで一番多くの作品を私が持っているのはパット・メセニーを除いては彼だったりする。 とにかくアコギもエレキも弾くし、誰とだって競演するし、どんなジャンルだってやってしまう懐の深さも速弾きと並んでかれの特徴といえ、それは今に至っても変わりない。 ただ代表作といわれればちょっと悩んでしまう。なにせ楽曲がどうのとかバンドメンがどうのとかいうより彼の速弾きのところばかりに注目して聴いてきたから・・・。 更に言うと多分彼の作品の中で一番好きな作品は三大ギタートリオの「FRIDAY NIGHT」だったりする。でもこれは3人の作品であるし、この作品の良さはパコによるところが大きいと思っているからなぁ。 今回仕方なくCD欄には彼のキャリア初期の上記作品を上げさせてもらった。代表作にこの作品を上げる人も多いようだが、実際この作品でソロギタリストとして名を上げ、その後の三大ギタートリオで一世を風靡することになるきっかけを作った作品でもある。 30年以上前の作品が代表作といわれたり、テクニック面ばかりがクローズアップされるのも彼の不幸といえるかもしれない。しかし、かつてテクニック一辺倒のように見えた彼も「WORLD SYNPHONIA」で新境地を見せ、アルゼンチンタンゴの作曲家、アストル・ピアソラの作品をソロギターで取り上げた一連の作品など音楽の幅は益々広がっている。 ネットなんかで見ると必ずしも評価が高いとはいえないし、今ではよりテクニカルなギターを弾く人もいるのだろうが、私の中ではとにかく偉大なギタリストである。 (10.02.20) |
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