ＮＯ３２　ジャック・ストッツェム　「ＡＬＬ　ＲＩＧＨＴ　ＷＩＴＨ　ＹＯＵ」

ジャックの「ＣＬＥＡＲ　ＮＩＧＨＴ」というアルバムが気に入っていて、特にアルバムのタイトル曲を始めとしたアップテンポな曲を楽器店で試奏時に弾いてみたいというささやかな夢があったりしたので、譜面を入手してみました。

が、いざ始めようとなるとちょっと難しそうだなと二の足を踏んでしまっていました。
譜面を見るだけだとそれ程難しそうには見えないのだが、欧米のギタリストは簡単そうに見えても左手のストレッチがきつかったりして、結構難易度が高いものだし、まして、ジャックはヨーロッパきってのテクニシャンでもありますし。

ジャックはサムピックとフィンガーピックを使用して爪弾きでは得られないクリアーな音が特徴で、クロマティック奏法を駆使し、早いフレーズも難なくこなします。
ピーターフィンガーなどもそうなのですが、アポヤンドのように聴こえるときもあるので、サムピックをフラットピックのような使い方をしたりもしてるかもしれません。
また、インプロヴァイズなのか譜面にしているものなのか判別しづらいところもあったりします。そんなところなどから、どうしても私にはまだ早いような気がしていました。

で、アップテンポの曲は早々に諦め、比較的難易度が低くそうでそして短い曲（譜面的に）を選曲してチャレンジすることにしました。少々大げさですが、譜面を入手して半年も経ってようやく決意したのです。
これが「ＡＬＬ　ＲＩＧＨＴ　ＷＩＴＨ　ＹＯＵ」です。スローテンポで曲自体も覚え易く、もしかしたら弾けるかもなどどいう淡い期待をしたりしていました。

結論から言うとやっぱり難しかった！！とにかく左手のストレッチやセーハした時のフォームがハンパじゃなく難しいので、途中怒りすら覚えてしまうような時もあったりしました。

まあ、欧米人は日本人と比べ、指が大きく力も強いなどということもあるかもしれませんが、ギターを始めた頃からきっと、こんな難しいフォームの曲を練習していたというのもあるんでしょうね。フォークソングの弾き語りなどからスタートした場合では技術的にはどうしても差があってしかたないかもしれません。
今、欧米でアコギを弾いている若い人などは、ジャックのようなギタリストを手本としながら、練習したりしているのでしょうから、これからも凄腕のギタリストが輩出されることでしょう。
日本人の真摯にアコギを追及したい人には是非、この人の曲などを練習してもらいたいものです。

という、ぼやきはさておき、この曲は左手がとにかく難しいので、どうしても腕全体に力が入って、下手すると腱鞘炎にでもなってしまいそうなのです。スローバラードだけに右手もボリュームコントロールに気をつけないと面白みのない演奏になってしまいます。さらに、ジャックの曲の多くがそうですが、この曲もメロディーだけでなく、ベースラインも意識しながら弾かないと平べったい感じになってしまいますから要注意です。

比較的難易度の低そうなこの曲ですらこの状態ですから、他の曲ならどうなってしまうんでしょうか。

但し、私は元々弦高がどっちかというと高目で､しかも、最近はネックが動いてきて、かなり弦高は高くなってきているＤ−２８で練習しているので､難易度がより上がってしまうということは確かにあります。楽器のせいにするつもりはありませんが、今の状態のＤ−２８では私程度の練習量では一生かかってもこの曲は弾けないかもしれません。音を出すことすらほとんど不可能な感じです。
弦高を低く設定したようなギターで練習すればもう少し違う感じになるでしょう。

弦高が高くテンションがきついギターで練習することは意味のないことではありませんが、上達するには相当な努力が必要だと思います。テンションがきついと腕全体に余計な力が入ってしまうので、余計な癖などがついてしまう可能性もあるので、インストなら音を犠牲にすることがあっても、弦高は低めに設定した方がいいと思います。
ちなみに弦高を低くすることにより、音が変わるということを聞いたことがありますが、私は人間の耳で聞き分けられるとほどとは信じていません。現に今使っているＤ−２８はネックが反ってきていますが音量、音質に変化があったようには感じません。

ということで、この曲を練習してみて、私のＤ−２８もそろそろネックのリペアに出そうかと思うようになりました。
今のところこの曲を練習してみて、指の力をつける練習にはなっていると思いますが、それ以上ではないと思いますので、色んなことを試しながらでもせめてもう少しは弾けるようになりたいと思っています。

念のため、弦高が低いギターでセーハのポジションが押さえられ、音がしっかり出せたとしても、小指の使い方などの難易度もかなり高いので、簡単に弾けないということは申し添えておきます。

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