NO87 荒谷 みつる

CD Natura’Rhythm
IMPRESSION ’79年生まれということなので、もう中堅の域にはいろうかというギタリストだが、’04年にデビューした20代前半の頃から聴いていたので、時の速さを感じずにはいられない。

今このレビューを書いている地点で3枚のソロアルバムと数枚のコンピレーションアルバムをリリースしているが、HPなどを見ているとどちらかというとサポートギタリストとしての活動の方がメインで、エレキギターも弾いていて、ルーツはロックやブルースのようだ。

ソロギタリストとしてはタッピング等はあまり使わないいわゆる正統派である。このタイプはテクニックがどうだという評をなかなか言いにくいのだが、特徴としてはアグレッシブな装飾音符と、あえてそうしているかのようなギターの弦と指が擦れる音か。
個人的には弦を張り替えた時に生じる特に巻き弦の擦れる音はあまり好きではないが、あえてそのノイズを出しているかのような弾き方をしているかのよう。

楽曲面でいえばキャッチーなものもあるがややプログレっぽい難しいものもあったりしてなかなか捕らえどころがない。この傾向は作品を重ねるごとに少しずつ強くなっているように思う。

彼の作品では最も分かり易いのは1stアルバムである標題作だろうか。
ウイスキーのCMで流れていた曲や、かの「ANJI」を彷彿させるような曲があってドブロギターを使用していることもあり何だか懐かしい香のする作品集だ。

力強いピッキングと強烈な装飾音の嵐が印象的で、音にもこだわっている。録音のことはよく分からないが特別な録音の仕方をしているようだ。
他のアルバムではホール録音をしたりもしている。

ギターも曲ごとに変えて、その違いを楽しむこともできる。私は未だにギターの音の違いなど聴き分けることができないし、再生プレイヤーも貧弱なものであるので、あまり高録音仕様をあまり実感できずにいるが。

標題の作品については文句なしの佳作。誰が聴いてもよさを感じられるのではないかと思っているが、今後はこの作品を越えるものが作れるかどうかに注目している。
最初の作品で力を出し尽くしたかのようなアーティストも知っているだけに彼には期待したい。
(10.01.23)

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