NO75 チェット・アトキンス

CD TRAVELING SHOW
IMPRESSION ミスターギターとかギターの神様とかギタープレイヤーとしては最上の形容で呼ばれるギタープレイヤー史上最大の巨人の一人。

マールトラヴィスが開発したと言われるギャロッピング奏法を完成させ、多くのギタリストに影響を与えた。半世紀にも渡り第一戦で活躍してきたので、彼のことを記そうとすればそれこそきりがないというもので、この場では最小限に留めたいと思うのだが、フィンガーピッキングでのインストということで言えば作品数、ヒット数、及ぼした影響などどれをとっても彼に及ぶ人は思い浮かばないし、これからも現れそうにないということだけはあえて記しておきたい。

さて、私もギターおたくとして彼のテクニックについてだけは言及しなければならないところであるので少しだけ述べさせていただく。
親指にフィンガーピックをつけ残りの二指を主に使ってのいわゆるフィンガーピッキングスタイル。ギャロッピングというのが代名詞のように言われるがいわゆるラグタイム風のスタイルにとどまらず、サムピックをフラットピックのようにしてリードを弾いたりするのも特徴の一つである。

今はYOU TUBEなどで彼の演奏を実際に映像で見ることもできるが、ガイヴァンデューサーアレンジのと思われる、難曲「The Stars and Stripes Forever」を涼しい顔をして弾く姿はさすがという他ない。彼にしてはこの程度は当たり前のことで、ギター史上最大の巨人の一人に向かってこんなこと言うのはどうかと思うけど、やっぱり凄いものは凄い。

さて、推薦作品を彼の代表作とはとても思えないマールトラヴィスとのコラボレーション作品である「TRAVELING SHOW」としたのは彼の作品の多くはエレキギターで多くスチール弦のアコギはあまり使われていないのだが、この作品では全編アコギを使用しているから。むろんそれだけではなく、音も曲もよくて、師弟による温かみのようなものも感じられる好盤だ。彼の作品は比較的たくさん聴いてはいるが、結局私はこのような作品が好きなのだ。

彼はコラボレーション作品は結構多いが、それらを通してマールトラヴィスからトミーエマニュエルまでの進化の流れが見えてくるようで、面白い。現代最高のギタリストの一人、トミーエマニュエルとのコラボでははチェットととどちらが弾いているか分からないような演奏だ。

一連の流れを見ているとチェットはマールより完成されたスタイルであるし、現在のトミーは技術的にはこれ以上ないと思わせるほど高度だ。キーランマーフィーなど今ではそのトミーのフォロワーも出てきている(トミーを技術的に超えるのは容易ではないだろうが)が、それぞれのアーティストの作品は点のようなものだが、ずっと大きな流れの中に沿って存在しているのだと言うことを実感できる。
その流れの真ん中に存在する彼の作品は一度は手にしてもらいたい。
(08.07.27)

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