NO29 ダック・ベイカー

お勧めCD Ms.Right
IMPRESSION ジャズやアイリシュをフィンガースタイルで弾くベテランギタリスト。
来日も多く、楽譜などもたくさん出版されている。

音からすればおそらく爪を伸ばさないで、いわゆる肉弾きで弾いているのだろう。肉弾きの場合、たいていアタックが強くて、バチバチと弦とフレットが当たる音が聞こえてくるので最初は違和感があった。
このスタイルでインプロヴァイズなんかもするのだが、これが妙に味わい深くて病み付きになってしまった。

アイリシュも彼のもう一つの顔だ。元々ジョンレンボーンのアイリッシュトラッドをよく聴いていたのだが、最初彼のアイリッシュは地味だなと思っていたのだが、聴く度にはまっていってしまった。私はこの手の音楽が好きなのだ。

お勧めCDは全体を通して非常に落ち着いたトーンで、秋の夜長、スコッチウイスキーでも飲みながら聴きたい大人の作品だ。

ギターアレンジはさりげなさの中にも工夫を凝らしたものが多い。
「St.James Infirmary」では彼の渋いインプロヴィゼーションが堪能できる。「Putney Bridge」はベース、メロディ、コードワークを同時にこなし、テクニックの一端がうかがえる。「The Flowers Of Belfast」はこのアルバムの最後を飾るにふさわしい、音数も少なくシンプルながら心に残る作品だ。

一聴していいなという作品は得てして飽きやすいものだが、彼の場合は最初はピンと来ないが、聴くにつれ惹きこまれていくというタイプだ。いつもよく聴いているというわけではないが、彼の作品をたまに聴くと、その度新しい発見があったりする。いつまでも色褪せないじわじわと染み入るような魅力がある。
(05.10.18)

戻る











SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送