NO91 レヴァランド・ゲイリー・デービス

CD ライブ・アット・ガーズ・フォーク・シティ1962
IMPRESSION ブルースの巨匠。
1896年生まれ。比較的最近まで生きていたのだが(’72没)、伝説のブルースマンの一人といってさしつかえないだろう。

CDのジャケットなど残された写真などを見ると葉巻をくわえていたり、ちょっといかつく見えるがれっきとした牧師でもる。ゆえに、彼の作品の多くは正確に言えばブルースでなく、神を称えるゴスペルだという。

ポール・サイモンやボブ・デュランなど現代のアーティストに与えた影響も大きい。ウッディー・マンやステファン・グロスマンなどは直接師事していた。

ギターは達人の域にあるが、この人もブラインド・ブレイクなんかとならんで、譜面があってもちょっと真似できそうにないなと思わせるプレイである。

奏法としては、この時代のブルースマンには多い親指にサムピックをつけて、あと使うのは人差し指のみ。残りの指はボディにつけて固定させている。せっかく5本指があるのだから、せめて4本くらいは使えばいいのにと思わないこともないが、このタイプの音楽には指の数など関係ないのだろう。

ベースランに、ストローク、アルベジオ、シングルノートが自由自在に繰り広げられるが、これは指だけで表現するのは無理があるかなと思う。


お勧めCDは最近リリースされた、1962年に録音された3枚組のライブアルバム。
この人も60年代に入ってブルースの再評価の流れで見出された頃のライブ作品。

なんと、17歳の時のステファン・グロスマンが録音したものだという。それがこのような音質で残されていることは驚くより他ない。現代の再生技術も見逃せないが。

録音のことはよく分からないが、この頃ならオープンテープだろうから、長持ちするんだろうなと思いつつも、当時の機材、半世紀もの保存のことなどを考えると、まして17歳の少年が録音していたことを考えれば、ステファン・グロスマンにはすげーなという驚きと感謝で一杯になる。

ブルースファンやアコギギター好きには四の五の言わず聴いてみなさいといいたくなるような、作品だが、ギターだけでなく、歌やブルースハープなんかも味があって、パワフルで上手い。

私自身はギターに絞って耳を傾けたりもするが、この時代のブルースマンは感性でざっくり弾いているようなイメージがあるが、そうでもないということがよく分かる。
しっかりアレンジされているし、演奏も正確だ。本当に上手いなぁ。

ちなみにMCも録音されているが、英語が分かる方はより楽しめるだろう。私などライナーノーツですら半分も理解できず、若い頃の不勉強を今さらながら後悔するばかりだ。

ともかく咳払いまで録音されたこの作品はゲイリー・デービスの当時のライブの様子が分かる、非常に貴重な作品であり、本物のブルースマンの円熟味を増した頃のパフォーマンスでもある。
(10.07.16)

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