NO61 古川 忠義

CD Solo de THE VENTURES
IMPRESSION '60年生まれ。ギタリストの父を持ち、弟はセッションギタリストとして活躍する昌義氏。生粋のギター一家で育ち、幼少より、クラッシックギターを学ぶ。デビューはなんと15歳の時でという。
最近はTEDDY’S GUITARというブランドのギターもプロデュースしたりしている。
また、若手ギタリストの伍々慧が彼から師事しているなど、経歴は実に輝かしい。

もちろんギターの方もその経歴にひけをとらない。
彼の群を抜く素晴らしいテクニックは上記のTEDDY’S GUITARのサイトから彼の最新作「FANTASY」が試聴できるのでまずは一聴して貰いたい。クラッシックの奥深さと彼のセンスを体感していただけることだろう。

クラッシックを基本としながら、ポピュラーミュージックにも精通し、ややもすると修道的にも見える保守的クラギストの面影もないところも私は好感するところだ。

そんな彼だが、作品となると極めて寡作。手に入れられる作品となると更に少なくなってくるから残念という他ない。

今回紹介するのはヤマハのサイレントギターを使用してベンチャーズの名曲をアレンジした作品集。ちょっと企画色が強すぎるきらいもあるので、紹介するのもどうかと思うのだが、個人的に昔好んでコピーしていた時期があったので、思い入れもあるためこの作品とした。

これも聴いていただければ分かるのだが、かなり原曲に忠実なアレンジであるのだが、それだけに難易度は高くなっている。
やや大味な感のあるサイレントギターの音も、正確で理にかなったクラッシック的フィンガリングが補って余りある美しいものとなっている。

音のコントロールは言うに及ばず、アポヤンドによる早弾きや美しいトレモロなど聴き所満載だ。ベンチャーズが好きでもそうでなくても十分堪能できるはずだ。

ただ、クラギストがポピュラー音楽を演奏する場合、どうしても原曲にこだわりすぎていることが多く、それが聴きごこちをよくする代わりに、面白みに欠けるという面も否定できない。

ともかく、日本人ギタリストはテクニック的には欧米人ギタリストには及ばないなぁと感じることもあるのだが、彼のように小さい頃からクラッシックを真摯に学んだものが自作の曲を作ったりするようになれば、その勢力図は一変する可能性がある。
是非彼に続くようなギタリストが世に出てもらいたいものだ。
(07.02.18)

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