NO97 ジョー・ロビンソン

CD Birdseed
IMPRESSION 最近の国内外の若手ギタリストの台頭は目覚しいものがあるが、中でも個人的にはキーラン・マーフィーとこのジョー・ロビンソンは頭一つ抜け出しているように思う。

共にオーストラリアの出身で同国出身の大御所、トミー・エマニュエルに見出され、日本ではかのアコギの殿堂ともいうべきプー横丁のレーベル「Slice of Life」から作品をリリースしている。

奏法もフラットピック、サムピック、フィンガーを駆使するスタイルも似通っているが、よりトミーに近いのがジョーの方だろうか。
それにしても二人とも小憎らしいほどうまい。

上記の作品は何と彼が16歳の時に作ったものだが、曲もサウンドもかなりトミー・エマニュエルに近いなという印象で、影響の大きさが伺える。今から4年ほど前に作られたものだから、私はある意味習作的な作品と理解していて、今ではもっと進化しているものと思う。

ネットで映像をチェックしてみたりもするのだが、トミーとの競演でも臆したところなど微塵も見せず、心臓の方もなかなかだなと思う。強い自信に裏打ちされたものではあろうが。

この作品だけをみれば、まだまだアイデンティティーは確立されていないように思うが、感心するのは既に備わっているグルーブとアレンジにおけるセンスだ。
この年ならつい弾き過ぎてしまったりしそうだが、その辺も抑制がよく効いている。絶妙のバランス感覚とでも言おうか、それとも聴き手をしっかり意識できているのだろうか。

自作もそれぞれよくできており、ベースラインとメロディーのポリリズムも素晴らしいが、カバーでも普通さ加減が実に秀逸。「The Entertainer」などはラグタイマーのお手本のようにラグっている。

既にりー・リトナー主催のコンピにも参加しているように、既にその幅を広げているようだが、今後の活躍には更に期待したい。

それにしても彼らの作品を聴いて思うのは先達たちの偉大さだ。ジョーについてはその尊属ともいうべきトミーの存在の大きさを否応なく感じさせる。
ジョー達はテクニック的には近づいたりあるいは超えたりということもあるかもしれないが、個性を発揮しつつ、作品として超えてみせるのは容易ではないだろう。
今の若手達もいずれ次世代が現れ、その目標となっていくだろうから、より素晴らしい作品を作り続けて欲しいものだ。
(11.04.09)

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