NO70 ファンホ・ドミンゲス JUANJO DOMINGUES

CD 新しいギター伝説
IMPRESSOION タンゴといえば最近ではバンドネオン奏者の小松亮太などの活躍でメジャーシーンにも登場するようになったとはいえ、マイナーなジャンルの一つであろう。
そんなタンゴという音楽にあって、ギターの存在といえば、ボーカルのバックで聴こえてくるあくまで伴奏の役割であるというイメージがあったのだが、このアルゼンチン出身のギタリストが一旦ギターを持つと、それは一変する。

ギター一本でアルディメオラですらためらったという、アストル・ピアソラの曲を演奏して見せるかと思えば、フラメンコギタリストのような高速パッセージを軽々と弾きこなす究極のソリストなのである。

とにかくテクニックが半端じゃない。最初驚かされるのはまず、その速さだろう。まるでピックを使っているかのようなクリアな音であるが、まぎれもなく指弾きなのである。

彼はまるでクラッシックギターとフラメンコ両方とも習得しているようで、美しい音を正確なリズムで軽快に弾きこなし、そこにタンゴ特有のリズムも加わって、独特のテンション感を生み出している。

ネットなどでは彼がギタリスト最高のテクニシャンであると推す声も多いようであるが、それはともかく、現在最高のギタリストの一人であることは間違いないだろう。(速いだけなら、日本では知られていない無名のフラメンコギタリストなど、スペインにでもいけばいくらでもいるのだろうが)

彼の作品を勧めるとなると、ピアソラの曲を集めた作品集という手もあるが、ここはあえて、表題作としてみた。個人的に学生の時練習して思いれ深い、「チャルダッシュ」が収録されているというだけの理由だが。
(しかし「新しいギター伝説」とは大上段に振りかぶったタイトルではないか。よほど自身がないとこんなタイトルつけられないと思うのだが)

もちろんピアソラの作品も収録されており、ヨーヨーマの演奏で有名になった「リベルタンゴ」などが素晴らしい演奏で聴ける。

’51年の生まれというからこの作品が制作されたのが’03年頃であるので50代半ばでこんなアグレッシブでバラエティに富んだ作品集ができるものかと驚かされる。

これだけのテクニシャンになると演奏技術の話ばかりになってしまうのだが、この作品集実は曲も素晴らしくて、タンゴって結構楽しいなと思わせてくれる作品でもある。

全てのギターファン、タンゴファンに聴いてもらいたいアルバムだ。
(07.12.23)

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