NO100 キーラン・マーフィー

CD PER SE
IMPRESSION ’88年、オーストラリア出身の若手ギタリスト。

この人についてはまず作品を聴いてもらいたい。とにかくギタリストとしてテクニックはもちろんのこと、センス、グルーブなどクリエーターとして必要とされるものを全て兼ね備えており、確実にこの世代の中では頭一つ、いやもっとかな、抜けているように思う。

ギターを始めたのは7歳の時で、ほぼ独学でギターを学び、10代前半から半ばで既に数々のオーストラリア国内のギターコンテストで優勝してきたらしい。
トミー・エマニュエルの全米ツアーでもオープニングアクトに抜擢されてもいる。

奏法はサムピックを使用してのフィンガースタイル。早弾きもあれば、パーカッシブに叩いたりしたりもするが、無理にテクニックを使っているはない。
ベースラインの取り方などもうセンスの塊といっていい。

上記作品を聴けば納得してもらえるのではと思うが、作品全体を通してしっかりとした、個性やコンセプトが明確に見えてくる。
この作品がリリースされたのは彼が18歳の時だが、作曲や演奏はもちろんレコーディングやミキシングなどを除いてはほぼ全て18歳の彼一人で創っていたというのは信じがたい。

曲はキャッチーでアレンジもよくできているのだが、音の強弱の付け方がポピュラーギター音楽としては珍しいほどはっきりしていて、これ程音のコントロールが上手にできる人はそんなにいないかなと思う。
トミー・エマニュエルから学んだ部分もあると思うのだが、トミーや、ピエール・ベンスーザンなどにも劣らない程ではないかと思っている。

これがただですらよくできた曲が、彼の演奏でグラデーションが付加され更に作品のクオリティーを高めている。

作品全体を通した統一感というのもあって、作品全体として記憶に残る。
曲もアレンジも演奏も全てを含めて、最強の一作だと思う。
作品の構成上入れられなかったのだろうが、カバー曲なんかも聴いてみたいものだ。

ただ、この作品がリリースされた2007年頃来日も果たしているのだが、その頃彼のことをネットでよく検索していたが、ライブパフォーマンスにおいてはどうもあまり評判がぱっとしてなかったなという記憶がある。

アーティストにとって作品とライブというのは車の両輪であろうから、どっちかがだめだというのでは長い期間評価されないだろう。
彼についてはまだこれからのアーティストだし、もっともっといい作品を届けて欲しいと願っている。
(11.9.10)

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