NO83 リー・リトナー
CD | wes bound |
IMPRESSION | かつてはラリーカールトンと共にフュージョンブームの中心となっていたギタリスト。当時はややロック寄りがラリーカールトンでジャズよりがリーリトナーという感じだったと記憶している。とにかくその当時はポピュラーシーンにはよく登場していてあちこちの作品でこの人の名前を見かけたものだ。 私はこの人の活躍はリアルタイムでよく知っていたが、とにかく凄いテクニシャンだと印象が強い。 今だとそれなりにジャズも聴いてきてはいるし、テクニカルなプレイをするギタリストも知ってはいるつもりだが、何と言うんだろうか、要はギターを弾く姿が美しいのだ。指の動きとか立ち振る舞いそのものが醸し出す雰囲気といったらいいのだろうか、ネットで多くのギタリストの映像を見れるようになった今でもその印象は変わらない。 さて、この人もウェスモンゴメリーから多大な影響を受けた一人で、まさに直系であるのだが、ウェスと同様にピックを使わず親指をピック代わりに弾くというのが特徴である。ウェスから影響を受けたギタリストは多いと思うが、実際にそのあまりに特殊な弾き方まで同じというのは珍しいように思う。 もちろんウェスト同じような演奏手段をとっているからといって彼の個性が薄れるといったことは、この類まれなセンスを持ったこの人に限っては全くない。 彼の作品をいくつか聴いてみればそれは誰しもが納得するだろうし、特に作曲の能力に関してははさすがにフュージョンブームの先頭を走っていただけのことはあっていい曲が多い。 結局いいソロアーティストと認識されるためには演奏能力だけでなくコンポーザーとしての能力が問われるものだ。 さて、作品の方は彼の代表作とはいえないかもしれないが、ちょっと私がウェスづいていることもあり上記の作品とさせてもらった。 彼のルーツがよく分かる好盤である。 ウェスと判別しづらいような演奏から、フージョン全盛の時のようなものや、やはり影響を受けたのであろう、ボブマーレーの作品までバラエティーに富んでいて、そしてかなり聴き易い作品でもある。 彼のように比較的古くから知っているギタリストの場合、どうしてもその当時好きだった古めの作品を推してしまいがちだが、実はごく最近の彼のことはネットで見る演奏以外にはほとんど知らないという事情もあったりする。 このコメントを書く時に持っているCDをまとめて聴いてみたりするのだが、やはりテクニカルでもあるるし、センスのいいギタリストだなと改めて思う。これを機会に最近の彼の作品でも探してみようかなと思う。 (09.08.14) |
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