NO73 町田 直哉
CD | Time of Things |
IMPRESSION | 鹿児島在住の若手ギタリスト。 ラグタイムギタリストの浜田隆史のライブのオープニングアクトで初めて見たのだが、押尾コータロー直系ともいうべきスタイルで、マイケルヘッジスや中川イサトを経ないとこんな具合になるのかと新鮮な驚きがあった。 スタンディングでストロークしながらヒッティング、タッピング、ピッキングなどを織り交ぜていくスタイル。 初めて聴いても耳に残るキャッチーな曲作りが小気味よく好印象。 フィンガーピックなども使わない完全なフィンガーピッキングのみだが、かなり激しい曲もあるがよくあれで爪が破壊されないものだと感心してしまう。よほど強い爪をもっているのだろう。 さほどテクニカルな印象はないのと、グルーブ感が乏しいのがこれからの課題だろう。ヘッジスから流れる系統は彼のフォロワーがやり尽くした感があるのでそのあたりの差別化は彼ら若い世代の大きな壁になるのだろう。 ただ彼にはどこに出ても見劣ることのない曲作りの才という大きな武器を持っている。それは表題の作品を聴けば分かってもらえるはずだが、これは彼にとって2作目とのこと。録音等に問題はあるだろうが、最後までしっかり聴かせることのできる力作である。 浜田隆史のライブ後少しだけ話すことが出来たのだが、その時(07年)はまだ学生だったが将来はプロとしてやっていきたいと話していた。最近のブログを見ると東京などでもライブを行ったりしているとのことなので、作曲においてこの作品のクオリティを維持でき、アレンジに一工夫すれば今後の期待は膨らむばかりだ。(スタイルもよくイケメンだし) ちなみに曲は一つのテーマからそれを繰り返しながら膨らましていくような、誤解を恐れずに言えばややウィル・アッカーマンにも似たような構成でこのあたりはあまり日本人ギタリストにはなかったタイプだなと思ったりもする。 ともかく今後非常に楽しみな若手ギタリストである。今まだ足りないものもあるだろうが、その分伸びしろも大きいと思う。是非一回り大きくなった彼のライブを見てみたい。 (08.03.15) |
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