NO20 パコ・デ・ルシア
お勧めCD | Almoraima(アルモライマ) |
IMPRESSION | 現代フラメンコの巨匠であり、アル・ディメオラ、ジョン・マクラフリンとのスーパー・ギター・トリオ(SGT)により世界中にその名を知らしめた。 早弾きではピックが圧倒的に有利にもかかわらず、当時の最速ギタリスト(アル・ディメオラ、ジョン・マクラフリン)の二人に一歩も譲らず、光速リックを指弾きのパコが追走する姿は驚きを超えた感動があった。 私は学生の頃から周り身近にいた者の影響で、クラシックやフラメンコはよく聴いていたのだが、どうしてフラメンコがメジャーを獲得していないのが不思議に思っていた。 クラシックを土台としてはいるが、クラシックほど堅苦しくなく、即興を多用するが、ジャズほど難解ではない、メロディーも分かりやすいしカジュアルな音楽であるのに。 さて、スペインの至宝と呼ばれ、多くのミュージシャンを触発し、そして畏敬の念を抱かせているパコであるが、技術的には最高峰であることはもちろんだが、テクニック云々を言わなくても楽しめるのが彼の作品であるとも思っている。 彼にはSGT以外にもフラメンコとはいえないようなフュージョン作品もあって、どれも充実したものになっている。伝統と因習に縛られることのない彼の革新性と創作意欲は、純粋主義者さえ黙らせてしまうのであるが、推薦作品はあえてフラメンコの語法で作られた「アルモライマ」としたい。 アル・ディメオラとの共演した「地中海の舞踏」の原曲ともいうべき「広い河」が入っているし、何度聴いても飽きない作品である。フラメンコに興味がない方でも、十分楽しめるはずだ。 複雑なリズムであったり、早いパッセージであったりと、技術的には真似できるものではないが、テクニックに加えて、良質の音楽がストレスなく体に沁み込んでくる。(05.08.01) |
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