NO46 ラルフ・タウナー Ralph Towner

CD Solo Concert
IMPRESSION 70年代から活躍しているジャズギタリスト。
ピアノ教師の母とトランペット奏者の父を持つ影響でその両方を幼少より習っていたようだが、ギターを始めたのはプロギタリストとしてはかなり遅い。彼が22歳になってから、ウィーンでクラッシックギターを習い始めたという。

クラッシックを土台としているためかアコギは12弦のスチールギターとガットギターのみを使用。もっともジャズギタリストの多くはなぜだかガットと12弦を好む傾向にあるようだが。

私はジャズについては70年以降については正直言って難解であまり理解できていない。
ジャズの延々と続くインプロヴィゼーションがどうも納得できないのだ。
ライブで聴く分には聴き手のテンションだって上がっているし、その場の雰囲気などによってもスリリングさが伝わってもこようが、録音したものを聴く時はたいてい冷静であるし、集中して全曲通して聴くということも少ないので、その曲のことを知らなければ音が流れているだけにすぎないように感じるのだ。
もっといえば、その場で即興で弾いたものを録音すればアルバムの制作なんていくらでもできてしまう。実際ジャズミュージシャンの制作する一人当たりのアルバム数は他のジャンルに比べて圧倒的に多いようにみえる。

特に70年あたり以降のジャズの即興性はより難解度を増しているように思う。
即興音楽を最高の芸術とする人もいるかもしれないが、私は練りに練って作られたものの方に価値を置いているので、ロックのように曲間に数十秒程度のアドリブくらいが丁度よいと思っている。

そんな中、この作品は私が最後まで聴いて楽しめる数少ないジャズアルバムである。
12弦ギターは変則チューニングを使うことによりダイナミックさを演出しているし、ガットの音も素晴らしい。

ギター一本だけの完全ソロスタイルでのライブ録音で、もちろん自在にインプロヴァイズしているのだが、曲のことを知らなくても不自然さや退屈をほとんど感じない、非常に完成度の高い作品に仕上がっている。

奏法については全く情報を持っていないので違うかもしれないが、音からフラットピックと指の両方を使っての演奏だと思う。本作はラルフ・タウナーが30過ぎくらいのライブ録音のようだが、22歳から始めたという事はにわかに信じがたいテクニックである。
幼少から音楽に浸り、音楽的素養は余りあるほど有していたたのではあろうが、気の遠くなるような時間をギターと共に過ごしたのであろう。

とにかく分からないなりにジャズを聴いて、やはり途中で停止ボタンを押してしまう私ではあるが、そんな時に引っ張り出してくるCDのひとつがこの作品である。
(06.05.07)

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