NO89 ロバート・ジョンソン

CD KING OF THE BLUES
IMPRESSION 戦前のブルースマンの中でもとりわけ現代のロック系のアーティストに影響を与えた人といえばこの人であろう。

狂気を含んだ魂の叫びのようなボーカルと一人で弾いているとは思えないような(しかも歌いながら)ギターで、わずか27年の生涯に30曲に満たない作品とその倍ほどのテイクしか残されていないにも拘わらず、今も信奉者は多い。

’11〜’38までというその短い生涯も、悪魔に魂を売り渡すことを条件にギターのテクニックを得たとか、毒殺により殺害されたとか、怪しげな伝説に彩られている。このあたりややジミヘンを彷彿させる。

ともかく今でもよく聴かれるような半音ずつ下がっていくフレーズやスライドのテクニックは確かに凄いが、彼の破天荒な伝説とは対称的に感覚的な演奏では決してなく練りに練って創り込まれたフレージング、プレイだと私には感じる。

譜面があればギターだけなら何とかなぞることも可能だろうが、やはりこの時代の録音方法ならではのリズムの微妙さなのか、あるいは独特のリズム感なのか完コピというのは難しいというかほぼ不可能かなと思う。

日頃ボーカリストのギターというのは器用でなかなか真似できないなと感じているのだが、彼の場合は器用さの域を越えていて、ボーカルのフレーズ間に弾く伴奏や複雑でリズミカルなストロークなど、そうバンドの中のギタリストのうような雰囲気があるなと思う。

彼の奏法は親指にサムピック、人差し指と中指にフィンガーピックをつけているようだ。
写真を見ると指が長くて、いかにもギター上手そうな感じだが、ダブルのストライプのスーツにボロボロのギターはミスマッチのような・・・。


決して聴き易い音楽とはいえないし、この手のボーカルが苦手な方も多いのだろうが、ロックやR&Bの源流のような演奏はエレキ系の人たちには研究する価値のある人だと言えるだろう。

上記CDでは彼の楽曲が全て入っているのでCD選びに迷うことはないだろう。繰り返し聴いていれば次第にはまっていく人も意外に多いのではと思っている。
(10.04.25)

戻る














SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送