NO80 ロドリーゴ・イ・ガブリエーラ
CD | LIVE in JAPAN |
IMPRESSION | CDショップに数枚のアルバムが突如山積みされているのを見つけ、何の予備知識もないまま聴いてみた。 名前が示すとおりの男女デュオ。ロドリーゴという男性がピックを使ってリードを担当、ガブリエーラという女性がピックなしでパーカッシブなプレイでバッキングという構成になっている。(二人とガットギター使用している) 最近ははやりでもあるようなデュオであるが、この二人は日本人デュオにありがちな叙情的なものとは程遠く、パーカッシブなこともさることながら、エフェクターを駆使したかなりエレキ寄りのサウンドとなっている。日本ではかのフジロック出演をきっかけに人気になったようだ。CD付属の説明によれば世界的に異例のヒットを飛ばしているとのこと。 リードのロドリーゴはアルディメオラばりのミュートした状態での息の長い早弾きが素晴らしく、ガブリエーラはリズムも叩きっぷりも見事だ。 しかし、正直に言えば、私の中ではやや疑問符が・・・。二人ともテクニックはなかなかのものというのは認めるにしても、パーカッシブなプレイなど今日日さほど珍しくもないし、ピックを使ってのテクニシャンなど掃いて捨てるほどいる。 その中彼らが他のギタリストたちと比べて、作曲センスなども含め飛びぬけているところというのはあるのだろうか? 上記CDであるがライブ盤ということで観客の声も収録されていて、この声援が凄い。いや、ちょっと異常なほど。まるでスーパーギタートリオのフライデイナイトライブのような。しかしそれは4半世紀以上前の話だ。東京での録音だが、日本人ってこんなに盛り上がる人種だっけ、ギター二本だけの演奏でこれほどまでにとは!演奏よりそっちの方が気になって仕方なかった。 この作品にはDVDも付属されていて、そちらで映像が見れるのだが、この手としては決して狭くないライブ会場で全席立ち見で、ひといきれの状態で、ライティングも扇情的、などというのは穿ちすぎか。もし、アルバム作成用に盛り上げているとすれば、ややあざとい。 余計なことをいってしまったが、この作品、オリジナル曲中心だが、私の大好きな「TAKE FIVE」が収録されていたり、ツェッペリンの名曲「天国への階段」があったりと実は純粋に楽しめる作品でもある。 テクニック的にもしっかりとしていて、聴き応え見応え十分でもある。しかもDVDも付属でかなりお安い設定にも・・・。一聴の価値ありですぞ。 で、ちょっと思い出したので、蛇足ついでに。 約10年ほど前だろうか、やはり店頭に聞いたこともないバンドの作品が平積みされておりそれを今回のロドガブ同様、衝動的に求めたことがある。それはデイブ・マシューズ、ティム・レイノルズというやはりデュオの「LIVE AT LUTHER COLLEGE」という作品だ。 後で分かったことだが、デイブマシューズという人はアメリカでは何千万枚単位で作品が売れているという人らしい。不思議にも日本では全く聴いたことがない。まあ私が知らないだけで、それなりに有名なのかもしれないが。ティムの方はデイブのバンドのギタリスト、でセッションギタリストということ。 この作品はデイブがボーカル・ギター、ティムがリードという構成だが、時折見せるティムのギターが凄いのなんのって。その頃はアコギのことはそれ程知らなかったので、その時は凄い衝撃だった。 そういった経験をしていると、なかなか少々のことでは驚かなくなってくるのだが、ロドガブにより私がデイブ・ティムから受けた衝撃と同様のものを味わう人がたくさんいたりもするのかなとも思う。 (09.04.19) |
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