お勧めＣＤ

ＭＥＬＯＤＩＥＳ　ＯＦ　ＬＯＶＥ

ＩＭＰＲＥＳＳＩＯＮ

モリダイラ楽器主催のフィンガーピッキングコンテストの２００３年の優勝者。
ガットギターでジャズを奏でる屈指のテクニシャン。

小学校の時にギターを始め、その後ジャズを基礎としながら、フュージョン、ロックなど様々なジャンルを通過し、エレキギターではピックを使い、アコギはフィンガースタイルで、フルアコを使ってのジャズではウェスモンゴメリーのような親指を使ってプレイするという。
教則本の執筆も多い。

彼のアコギでのテクニックはとにかく早いパッセージが弾けるということに尽きる。やや、荒っぽく感じるところもなくはないが、圧倒的な手数の前に多少の粗などは消えてしまいそうだ。

そんな彼のファーストアルバムで今現在唯一の作品が表題作。
映画音楽あり、懐かしい歌謡曲あり、賛美歌やロック、ジャズありといった不可思議な選曲だが、通して聴いてみる統一感があったりするからこれまた不思議だ。

アレンジもギター一本の曲の他、フランス語のボーカルの入った曲や、打ち込みを入れたり、ピアノやベースが入っていたりと、ファーストアルバムらしく彼の音楽を詰め込んだ作品になっている。

とても聴きやすい曲ばかりだが、イージーになりすぎていなくて、特にコントラバスをフィーチャーした曲などは、とても心地よい。

オリジナル曲も４曲収録されていて、どれも秀作だが、個人的には「風」が気に入っている。キャチーでポップなジャズだ。

爪を使わずに弾いているような感じでもあるし、ピックを使っているようなクリアな音も聴こえてくるから、どうやって弾いているか今ひとつ分からないが、そういったことも含めてライブでの演奏も見てみたいギタリストである。
（05.09.15）

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