NO99 スタンリー・ジョーダン
CD | MAGIC TOUCH |
IMPRESSION | ’59年生まれのジャズギタリスト。 今までたくさんのギタリストを聴いてきたが、その中でも特に異色のギタリスト。 なにせ一曲を全てというかアルバムの最初から最後までほとんど全てタッピングで弾いてしまうのだ。 タッピングと言えばヴァン・ヘイレンから始まって今では様々なギタリストがルーティーンのテクニックで使っているし、ニューエイジ系のギタリストの中には一曲全てタッピングでというのもあるが、この人の場合はそもそものアプローチが異なっている。 ギターのテクニックの一つ、あるいは表現方法の一つというのではなく、最初からギターを使ってピアノのように弾くという発想だ。 右手はフレットの上から四本の指を使ってタッピングしているのだが、とにかくピッキングしているのと変わらないくらい音がクリア。そして、指は左右計8本使っているから通常のフィンガーピッキング以上に複雑で自由だ。 譜面にしようとすればピアノ譜のように二段ものでないと書ききれないだろうし、本人もそんな意識で弾いてるのかなと思う。 しかし、あまりのその独特さに、私は寡聞にしてフォロワーの存在を聞いたことがない。不幸なことにこの複雑で高度過ぎる奏法のせいもあってか、ややキワモノ扱いもされていたこともあったとか。 実際、私もごく最近まで彼の存在を知らなかったし、CDショップでも彼の作品を置いてあるのを見たことがない。 そんな彼だが、作品は本当に素晴らしい! 当然のごとくダブルハンドタップが炸裂するわけだが、ギターソロよりはピアノに近い感じで、速いパッセージも事も無げにこなす。 そのようなテクニック面もさることながら、作品自体がとても秀逸。変な難解さなんてないし、この人がギターの弾き方やジャンルなんかにとらわれない奔放な人なんだろうなと思う。 一曲目のエリナリグビーの緊張感にはやられてしまったな。美しすぎ。 ライブでも見ればスリリングさも一層増すのだろう。 初めて聴く人は、音があまりに淀みないので、全てタッピングだという予備知識があってもすぐには信じられないかもしれない。私が映像を見るまでは半信半疑だったように。 (11.07.09) |
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