NO78 スティーブン・ベネット Stephen Bennett
CD | Music from Tsenacommacah |
IMPRESSION | アメリカのフィンガーピッキングコンテストや同時に行われているフラットピッキングコンテストの両方に入賞歴があり、フラットピッキングコンテストでは優勝もしている。 指弾きピック弾き両方使える人はいるが、彼ほど両方において達者なのは珍しいだろう。 彼の最近の雑誌などでみかける写真を見ると、ハープギターを抱えているものが多く、好んでこの楽器を使っているようだ。 それだけでなく、通常のアコギはもちろんのことエレキギターやリゾネータ、ウクレレなどを使い、ソロスタイルだけでなく、アンサンブルも一人でこなしてしまう器用さを持っている。 作品もこのジャンルにおいてはかなりの多作家で、毎年のようにアルバムをリリースしており、DVDなども含めると10数作は超えているようだ。 これら全てを聴いたわけではないが、正直逆にこれといって強く印象に残る作品がないといっては失礼か。 その代わり、何だろう、いい意味で癖がないというか、いつ聴いてもすんなりと聴ける心地よさがある。 奏法もパーカッシブないわゆるヘッジス的なものからオーソドックスなものまでとにかく多彩だが、聴き手を飽きさせないよう、あえてそうしているような感がある。 彼の数ある作品を一つ選ぶのは簡単ではないが、一応表題作として見た。フィンガースタイルソロ作品もあるが、せっかく彼は色んな奏法、楽器を駆使するので、それらを詰め込んだようなものを選んでみた。 たくさんの楽器、奏法を使っていて、メロディーメーカーとしても優れていることが分かる。 印象的な曲というより、どの曲をとっても外れがないというか、まるで映画のサントラ盤のような作品で、BGMとしての心地よさは保障できる。 テレビを消して、静かに過ごす夜のひと時にいかがだろうか。 (09.1.11) |
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