NO81 ウェス・モンゴメリー

CD Full House
IMPRESSION ジャズ界の大御所中の大御所。
’68年に43歳の若さで不慮の死を遂げているので、活躍した期間はさほど長くないが、その後に及ぼした影響はとてつもなく大きい。

彼を語る時どうしても外せないのは、彼の代名詞とも言うべき「オクターブ奏法」。
メロディと同時にオクターブの音を同時に弾くということだが、1弦を弾く時は3弦を同時に同様に2と4、3と6という風に弾いているようだ。

彼はこれも独特だが、ピックを使わず、親指のみを使っている。技術的には簡単ではないが、豊で柔らかな音色が得られて、ピックとは違う独特のサウンドとなる。

親指奏法も含め、このオクターブ奏法はソロギターでも応用できそうだ。
ソロギターでは音の頭にオクターブの音を一緒に鳴らすというのは日常的に使われているが、メロディ意外に手がかりの音が見つからない時など、上手く使えばアレンジの幅が広がりそうだ。

ウェスの残した功績はこれだけではない。フレージングその他ウェスの影響を直接、間接的に受けていないジャズギタリストはいないと言われるほどだ。

今では半世紀近く前のウェスの映像もネットで手軽に見れるようになっているが、彼の親指意外の指をギターの表面に当てて弾くスタイルは写真で見ればやや異様だが、実際の映像では意外にもナチュラルである。そして左手はすべるようにスムーズに動き美しい。
ジョージベンソンはどんなに複雑で激しくフレットを飛び跳ねようと全く無理がなく、惚れ惚れとするような動きでであったのを思い出す。

そんなウェスだから、不屈の名作といわれる「インクレディブルギター」などの名盤も多い。
彼のキャリアの後半はイージーリスニング路線で作品を作っているが、これはこれで悪くないし、フュージョンのさきがけのようになっている。

私としては大好きな「CARIBA」が収録されている「インクレディブルー」と並ぶ傑作「フルハウス」の方を選ばしていただいた。
私はジャズを理解している者ではないが、ウェスに限ればイージーリスニング路線前のビバップで演奏されている方が好みである。

さほど難解ではないし、彼一流のメロディーセンスなど何度聴いても飽きがこない。
それ以上に息のあったバンドでの演奏がもたらす雰囲気というか空気感がとても好きだ。

私はテクニックやメロディの素晴らしい音楽は大好きだが、それと同様に、具体的に説明するのは難しいがこの作品のように時代の空気、演奏の熱さを持った作品が好きだ。
ウェスやガイヴァンデューサー、ジョンミラー、それにジャンゴラインハルトなどを流しているだけでお酒がおいしくなるような。

オクターブ奏法については少し練習してみたりしたが、ほんの5分程度で親指に痛みが走り、とてもはないがと退散した軟弱者だが、ウェスについてはひたすら聴いて楽しむこととしよう。
(09.05.16)

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