LEE RITENOUR’S 6STRING THEORY


この手のコンピレーションアルバムはどうもいいのがないなと思っていたのですが、この作品に限っては別。

リー・リトナーを中心として、ジャズ・ロック・ブルース・ニューエイジから果てはクラシックまで集めた作品集ですが、個人的に参加しているアーティストが昔からよく聴いていた人が多くて、私のために作ったような作品集だなと、錯覚を覚えたものでした。

簡単に紹介すると、例えば、TOTOのギタリスト、スティーブ・ルカサーは洋楽をロックとして意識しはじめた頃によく聴いていて、TOTOのセカンドアルバムだったかな、シングルヒットした「グッバイ・エリノア」という曲はギターのリフ、ソロ、曲の構成なんかもとても好きで、丁度エレキギターを手にしたばかりということもあって、以来TOTOというよりスティーブルカサーのファンになりました。

ジャーニーのギタリスト、ニール・ショーンは邦題で確か「お気に召すまま」という曲でファンになりました。「セパレイト・ウェイズ」という曲は私がちゃんとコピーした初めての曲なのでとても思い入れが強くて、最も練習した曲の一つなので、今でも弾けなくはなっていますが、運指は覚えていると思います。
ついでながら、この曲のソロにはちょっとした早弾きもあって、この曲が弾けるようになってから、早弾きに目覚めてしまったのです。

ジャズでもクリーン・トーンできれいなピッキングのパット・マルティーノや当時はロックテイストが強かったジョン・スゴフィールドなどもよく聴いていました。
ジョージ・ベンソンとリー・リトナーはギターを弾いているたたずまいが美しくて、この二人の競演がないのは残念ですが、ジョージ・ベンソンは素敵な無伴奏ソロを決めてくれています。

ニューエイジ系からはユーチューブの申し子、アンディー・マッキーと若手NO1とも呼び声高いジョー・ロビンソンが見事な演奏を聴かせてくれます。

アンディーはヘッジス系の代表のようなギタリストですが、スティングの名曲「SHAPE OF MY HEART」でリーとルカサーの伴奏と、タッピングやヒッティングを駆使した彼らしいソロを、ジョーはまるでトミー・エマニュエルかと見まがうような快速ソロを披露しています。

この作品の最後を飾るのはインターネットのギターコンテストで圧倒的な演奏力で総合優勝したというSHON BOUBLILという人のクラシック曲です。クラシックのことはよく分かりませんが、セコビアを聴いている時のような落ち着いた安定感のようなものを感じました。選曲もいいですね。

それからギタリストではありませんが、チック・コリアのツアーに参加したり、最近では神様ジェフ・ベックのバンドにも参加していた若手ベーシストのタル・ウィルケンフェルドも数曲バックで演奏していて、それ程長くはないものの抑制の効いたソロを披露しています。
蛇足ですがタルさんはとても愛らしく、いくら技術的に優れていても二十歳前後の若者がいきなりジャズとロックの大御所のバックを勤めるというのにはそのルックスが無関係とは思えません。
私もジェフのライブ映像を見て釘付けになり、すぐファンになっちゃいました。(多分そういうおじさん多いと思いますけど)

上記以外でもブルースの帝王、B.B.KINGやKEB’MO’とTAJ MAHALの競演があったりしますし、日本からは布袋寅泰が参加しています。
布袋さんについてはちょっとBOOWYにはまっていた時期があって結構コピーしていたりもして、テクニカルではありませんがセンスがあってコンポーザーとしての才能も素晴らしいと思います。今回のようなジャムセッションのような形で彼のよさはより発揮されるような気がします。

これだけ出演者の全てがしっかり個性を発揮していて期待を裏切るような演奏がないのがこの作品のいいところです。これはリー・リトナーのプロデューサーとしての力量からでしょうか。

私が好きなギタリスト達がこれだけ集まって競演してくれるなんて本当に夢のような話で、この作品や参加しているアーティストについて書き始めるとキリがないのでこれくらいにしますが、去年(2010年)の暑かった夏、繰り返し何度も聴いていましたが、一向に飽きません。私にとっては決して色あせることのない一作になると思います。
(11.02.27)

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