アリアW-40

私はチューニングが苦手です。電子チューナーなども使ってはいますが、頻繁にチューニングを変えると弦が切れ易くなってしまうし、なにより面倒です(-。ー;)。
ですから、できる限りレギュラーチューニングの曲を探して練習するようにするのですが、どうしても弾きたいと思った曲がオープンチューニングだった場合は仕方ありません。というか、弾きたい曲はオープンチューニングであることが多いのです。そこで、押入れの奥から昔使っていたギターをオープンチューニング用にと、引っ張りだしてみました。

このギターは私が初めて買った(買ってもらっただ)ギターです。サウンドホールを覗いてみるとW−40という印字があります。(ちなみに、当時はこの数字がだいたい値段になってました)
製造は1970年代後半でスペックはトップがスプルースの単板でサイドはマホガニーの合板、バックは3ピースで二枚がマホ、真ん中がローズっぽい木目の合板だと思われます。

久しぶりに取り出したギターはずっとケースに入れて押入れに入りっぱなしだったにもかかわらず、初めて手元に来た時よりも焼けて、オレンジ色っぽくなっていました。貝を使ったポジションマークやインレイも買ったときより随分くすんで見えます。
弦も20数年張りっぱなしでした。

買った当初、私はギターのことなどほとんど知らず、兄の持っていたガットギターで禁じられた遊びを弾いていたくらいでした。(私の世代なら禁じられた遊びから始めたという人も少なくないと思います)

手に入れた時はとても嬉しかったのですが、いざ練習してみるととにかく弦高が高くて弾きにくい。簡単なアルペジオやスリーフィンガーなどはこのギターで覚えたのですが、この弾きにくさに嫌気が差して、また、私がエレキギターを弾くようになったこともあり、気がついたらこのギターは押入れの奥に眠るようになりました。

しかし、値段からして初心者用のギターなのにこの弦高はどうなのでしょうか?上級者ならともかく、これからギターを始めようというものがこの弦高ではちょっと上達は難しいのではと昔のギターとはいえ、メーカーor売りつけた楽器店の見識を疑います。
高フレット側が高いのはまだ許せますが、低フレット側が高い(つまりナットの溝の位置が高いのかな)のは致命的で、これでGコードなんて押えたら必ず6弦はフラットしてしまうでしょうし、Fコードで音を出せるようになるまでには大変な労力を要するはずです。

ともかく以来、何度か引越しをしましたが、捨てるに捨てられずかといって、ケースから取り出すこともなく日の当たらない場所に置かれたまま20数年が経てしまったのです。

弦を外し、ポリッシュで丹念に磨き上げるとなんだか、買ったときのことを思い出したりしました。ちゃんと木の匂いがして、その匂いがあの頃と同じでノスタルジーまではなくても懐かしい感じがよみがえってくるのです。

しかし、弦も張りっぱなしで何の手入れもしてないのにネックの反りがなかったのは驚きです。ネックを握ってみると確かに私のマーティンと比べると太くて丈夫そうではありますが。

弦を張替えて音を鳴らしてみると、音は悪くないと思います。ただし、弦が少し古くなってくると(2週間くらいで)急激にサスティンがなくなってしまいます。音自体は昔弾いていた頃とよくも悪くもなっていないという印象です。ほとんど弾いていないので当たり前ですが。
弦高は高いのですが、カポをすることである程度、弦高の問題は解消できます。ただ、ペグが経年による劣化で、かなり硬くなって回しにくくなっています。まあ、音が合わないわけではないのでこれは我慢です。

私はこの古いギターをオープンチューニング用として、だいたいDADGADのままにしてあります。
弦も切れるまで変えません。
相変わらず乱暴な扱いですが、かくして押入れの隅で場所を占領するだけの物体であったものが復活したのです。
これから少なくともしばらくの間は、このギターにお世話になることになりますが、今度はギターのせいにせず、腕を上げたいと思っています。そしていつの日かこのギターでオープンチューニングを覚えたのだと言いたいものです。


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