石川 鷹彦ライブ IN 博多


当日はちょっと早過ぎたかなというくらいの時間で会場に到着しましたが、すでにもう列ができていて、私が一番遅いくらいでした。ともかく列の一番後ろに並び、ホールの方に案内されました。

昔の酒蔵をリフォームしたちょっと風変わりな会場で、実際にお酒を醸造している場所でもあったので、入り口で日本酒が販売されていて、開演前においしいお酒を楽しむことができます。
ホールの中は天井も高く、はりなど古いものをそのまま使っている感じで雰囲気がとてもよくて、アルコールも少し入ってライブ開始前からいやがおうにも気分が高まります。

ホール自体はそれほど広くはないのですが、人はもう満員状態。福岡ではアコギは不毛だと思っていたので、これはちょっとびっくりです。それとお客さんの年齢層も凄い。大半が40代以上と思われます。平均年齢はもしかしたら50代かも。

どうやら、昔からの顔見知り、ファンの方が数多く詰め掛けたらしく、県外からのお客さんも多数いらしていたようです。
およそ音楽とは縁のなさそうな方も多くいて、演奏中の手拍子が裏で打つところが表だったりなどということもありましたが、かなりアットホームな雰囲気です。

さて、ライブのほうは、最後まで休憩なしで、二時間弱のステージで、ギターはメーカーなどは私のいた場所からはちょっと見えづらくてはっきり分かりませんでしたが、多分ヤマハあたりのエレアコのようです。

ホールは広くはないといっても、普段インディーズでのアコギストたちが行うようなライブ会場と比べればかなり広いので、このようなギターの方が扱い易いのかもしれません。前日にさだまさしのライブのサポートがあったようなので、その時に使ったギターをそのまま持ってきたものと思われます。
石川鷹彦といえば、マーティンD-45、もしくは最近のメインであるKAORU GUITARというイメージがありましたので、正直ちょっと残念です。

演奏の方はソロとバッキングをテープで流してリードを生演奏でというのが半々くらい。
ソロでの演奏は『大きな古時計』を除いては「WORDS3.5」からのものでした。アレンジのほうは少し変えていたようです。
テープを使った方はもうすぐリリースされるニューアルバムからのものが半分、その他が今までの作品からといったところです。

MCも思っていたより長めで、昔からの友達達と会話しているような趣で、会場からもたくさん声がかかります。それに石川さんもまた応えるといった風で、ゆっくりとした時間が流れている感じがしました。

どうやら演奏する予定のない曲をお客さんから促され、しぶしぶ、弾くといった場面があって、スタッフにボトルネックを持ってこさせ、スタッフが持ってくるまでの間、ずっと「予定のないことをやると失敗するんだ」などと不平を言っていたのも面白かったです。

石川さんは指に金属製のフィンガーピックをつけて演奏するのですが、している時は金属のフィンガーピック独特の、弦と擦れる音が聴こえたりするのですが、ほとんどそのような音は聴こえず、これは名人芸という他ありません。左手も指と弦とが擦れる音を意識的に消しているようで、余計なノイズがほとんどありません。

一曲だけですが、弾き語りがあったり、ギターを膝の上に載せて、スライドギターのようにして弾いたりと演奏方法の引出しもさすがに多くてさすがだと唸らされます。

一緒にいった連れはギターを弾かない人だったのですが、スローな曲が多かったことと、会場はステージ以外には全く光があったっておらず、かなり暗めだったので、ちょっと眠くなったなどと話をしていましたが、私もアコギのライブというより、石川さんの落ち着いた楽しいMCもあいまって、とても素晴らしい癒しの時間であったように、感じました。

今回のソロライブを見て感じたのは、やはり石川さんの真骨頂というのは、スリーフィンガーやアルペジオを基調とした演奏にあるのかなと思いました。
テープをバックにリードを弾くというのはフィンガーピッキングを聴きなれた者とすれば、やや物足りなさを感じたりもしますが、リズムのミスが許されないことを考えればこっちが思っているより難しいことをやっているんでしょうね。もちろん石川さんはそういったミスなどはありませんし、ソロスタイルよりは完成された感じがしました。

ソロでは、特に難しいことはやっていないと思われますが、「イーハトーブの朝」や「DORI」はとても曲も、アレンジも完成されていて、是非譜面を発売して欲しいものです。ちなみにライブではこれらの他かの「ANJI」も演奏されていて、こちらの方はなかなか迫力もあって、CDで聴く以上によかったですね。

これは私の個人的な想像ですが石川さん本人にもソロギタリストという意識はそんなに強くはないと思います。やろうと思えばできるんだけど、自分のスタイルは「WORDS3.5」以外の作品の方がより自分らしいと音楽であると思っているのではないかと想像しています。

約二時間、喋って弾いてのライブはとても楽しくライブの途中からはギターの演奏を聴くというより良質の大人の音楽を楽しむといった感じで、いい時間を過ごさせてもらいました。
ライブ終了後はサイン会などもあって、私もミーハー振りを発揮して列に並んでいました。
(07.04.22)

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