第三回 ライブレポート

岸部 眞明

ニューアルバム「RECOLLECTION」をリリースしてのツアー。
九州ツアーの最初の場所だったようですが、当日はプリアンプが故障したため、前日のライブ会場(広島かな)から大阪の自宅に戻り、とんぼ返りで福岡の会場にやってきたとのことでした。そのためコンディション的にはあまりよくなかったものと思われますが、ニューアルバムを引っさげてのライブだけに気合が入ってたのでしょうか。そのようなことは微塵も感じさせないさすがのパフォーマンスでした。

ライブは二部構成で、一部が既発表の曲中心で、二部にニューアルバム全曲という構成です。
ギターはもちろんウォーターロードSJ。

さて、岸部氏のライブはMCがほとんどないと聞いていたのですが、以外にも上のアンプ故障の話だとか、厄年に爪を割った話とか結構しゃべられてました。ミスがあると曲が終わった後「失敗してしまいました。」などとわざわざ言われるのには笑ってしまいました。(聴いてる方は気づかないし、気にもならないんですけどね。)性格なんでしょうね。

演奏の方は言うまでもありませんが非常に素晴らしいです。

一部の最後には生で聴いてみたかった「花」の演奏もありました。私がこの曲を弾く時は小指を使っている箇所が、どうやら薬指を使っているようでしたので、演奏しているところを見ることは指使いの勉強にもなります。

また、全米フィンガーピッキングコンテストの会場でも弾いたという、私も大好きな「オブラディ・オブラダ」は原曲に忠実なアレンジながら、スピード感抜群で、ただ音楽に集中してしまいました。是非次のアルバムに収録して欲しいです。

そして二部。ニューアルバムを順不同ながら全曲演奏です。全て初めて聴く曲ばかりになりますし、前三作がどれも優れた作品だけに三年ぶりの新作はかなり期待がかかります。

結果から言うと、新作も充実の一言。若手が台頭する昨今、もう中堅どころに位置するのでしょうが、演奏も作曲も実に安定しています。三年に一枚のペースで新作を発表していますが、じっくり時間をかけただけあってどの曲も聴きやすく、そして弾いてみたいと思わせる曲ばかりです。

岸部氏はアルバムの制作が終わってから「こうしておけばよかった。」というのがあって、眠れない日もあったとのことですが、創作欲は尽きないということでしょう。(ちなみにこの話をされた後の曲が「眠れない夜」でウケてました)
客観的に見れば、四作目になり、作品を重ねることで、岸部節ともいうべき個性がより強く形成されたと思います。

「RODEO」は岸部のテクニック満載の右手も左手も高い技術を要する曲ですし、NHKのドラマのために作ったという「ISLANDER」「少年の夢」なども楽曲のクオリティの高さに脱帽してしまいます。いつメジャーデビューしてもおかしくないと思うのですが・・・・。

そして、白眉は「SONG FOR 1310」。曲名どおり、師匠である中川イサトをイメージした曲とのことです。とにかくスケールの大きい曲で、ゆったりしたピッキングから、ダブルハンドタッピングへ移っていくときの盛り上げ方などはもう凄いの一言。アコギ史上に残るといっても過言ではないでしょう。
これからも含めて、間違いなく彼の代表曲となるでしょう。この曲一曲だけでもライブを見る、アルバムを購入する価値はあると思います。

いくらテクニックがあっても楽曲に恵まれないとすぐにCD棚の奥に眠ることになりますが、岸部の新作については前三作同様、愛聴盤となりそうです。

しかし、そんな岸部氏でも、福岡ではなかなか集客できないというのが現実です。CDとは違った迫力を感じたい方は是非ライブにお出かけ下さい。人が少ない分、いい席でじっくり見ることができます。(05.09.08)

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