MASTERPIECE GUITARS

ジャズギターの巨匠、マーティンテイラーとイエスやエイジアの中心メンバーでもあったスティーブ・ハウが二人で政策したアルバムです。

この作品のすごいところは何と言っても使ってるギターの数々。一本一本が芸術的価値を持つビンテージギターや特注のルシアーメイドギター。
これらは世界的ギターコレクターであるスコット・チナリー氏のコレクションの中から巨匠二人が約80本を厳選したもの。
氏のコレクションしたギターの数は1000本くらいらしいが、それぞれがいわく付きのギターばかりで、普段私たちがショップで見かけるようなものなどなく、コレクター垂涎の逸品ばかりとのことです。

ちなみにその値段はこの作品の中で使われただけで600万ドル超といわれています。しかし、これですらチナリー氏のコレクションの1割に満たないというから凄いですね。これらを一年間管理するだけでも一般サラリーマンの年収全てをつぎ込んでも足りないんじゃないでしょうか。

スコット・チナリー氏は若くして財をなし、ギターコレクションを始めたということらしいが、詳細な情報はネット等で調べてもなかなか分かりません。これだけ世界的なコレクターにも拘わらず、あまり詳しいことが分かっていないのも不思議な話です。
そして氏はこの作品を世に出した後、41歳の若さで世を去っています。そのことが余計氏と氏のコレクションに興味が湧いてきます。

さて、この作品のことになりますが、確かにこの素晴らしいギターばかりに目がいきがちになってしまいそうですが、さすが巨匠二人が制作しただけあって内容もギターに決して負けていません。マーティン・テイラーがジャズやスウィングを決めたかと思うと、スティーブ・ハウは独自の世界を展開しています。
ちなみにスティーブ・ハウ身もかなりのギターコレクターとのことで、後に彼自身のコレクションで制作したアルバムなんかも作っています。

どれも曲がいいし、演奏も素晴らしいですが、何と言ってもこの作品のハイライトは「BLUE BOSSA」。
チナリー氏がサイズと色だけ決めアーチトップギターを有名ルシアーに発注した19本の青色のギターを使用しています。

このギターを使った曲が「BLUE BOSSA」を選曲したというのはいかにもマーティンらしいユーモアですが、数小節ごとにギターを変えての演奏は圧巻。ギターも凄いがマーティンの演奏はそれを更に凌ぐほど。ギターの音を楽しむのもよしマーティンのテクニックを堪能するのもよしという一曲です。

アーチトップギター主体ですが、アコギはもちろんマンドリンやバンジョーなども使用されていて最初から最後の一曲までとことん楽しめる作品です。音、楽曲、テクニックの3拍子そろっていて、芸術的価値を持つギターのことも含め歴史的な作品といえるでしょう。お勧めです。
(06.07.09)

戻る












SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送