第四回 ライブレポート

住出 勝則(平成17年夏)


このライブはもうかなり前になるので思い出しながら書いてみます。すぐ書ければいいんですがなにぶんものぐさなのもので。

住出さんはCDで聴いてどうやって弾いているのか分からなかったし、元シグナルというフォークグループのメンバーでその後オーストラリアに移住、そしてアコギインストのギタリストとしてまた日本に戻ってくるというキャリアそのものにも興味があって、是非ライブに行ってみたいと思ってた人でした。

結果から言うとどうやって弾いているかなんてことはどうでもよくなるような純粋に音楽を楽しめるライブでした。

今回のツアーは新作のカバー集「House of Hits」をリリースしたばかりだったのでその中からの選曲が中心でした。「ギャランドゥ」や「UFO」のようなまさに住出節というアレンジや「ワインレッドの心」や「Michelle」などのように独特の解釈でそうくるかと思わせるものまで聴き応え十分です。

MCの方もかなり上手くて面白かったです。インストのライブではどうしても途中でだれてしまうところが出てくるのでMCも重要だなと思います。そういえば昔のフォークシンガーはなぜかみんなMC上手かったな。

演奏の方はヘッジスよりタックアンドレスよりの奏法ということになるでしょうが、サウンドホールのあたりを叩きながら音を出す場面が多く、カッティングのようにパーカッシブにもギターを使いますが、押尾コータローとも岸部眞明とも違う方法論です。結局のところ、目の前で見たところで何も分からなかったですね。分かったところでコピーする耳も腕もありませんが。

それとこんなことをプロのギタリストにいうのは大変失礼な話ですが、フィンガリングがとにかく上手いですね。私は彼の叩きながらグルーブを出すような、どっちかというと特殊奏法を弾いている面しか知らなかったので、かなりびっくりしました。当たり前の話なのですが、確固たる基礎があっての特殊奏法なんですね。
このライブでは正統なフィンガースタイルの曲もたくさん演奏していました。

また、ライブを聴く限り、フォークグループのメンバーであったということは全く感じず、彼が「ロックもジャズもブルースもニューエイジも好きだ」というようにそれらを彼なりに消化した上、独自の音楽を生み出しているという感じでした。

ライブ終了後少し話す時間があり、爪を見せてもらったのですが、親指だけなぜか全く伸ばしていませんでした。ライブではウォーキングベースやオルタネイティングベースを使った曲もあって、ベース音も大きい音で聞こえてきていたので、爪が伸びてないのにあんな大きい音がだせるのか今持って不思議です。

最後になりますが、CDでは分からないことがライブで解明したりということがありますが、まじかで見るせいか、テクニック云々でなく結構素直にアーティストの紡ぎだす音楽に入っていけるので、やはりライブはいいなと思いました。それと今活躍しているギタリストたちの多くは単にテクニックが優れているだけでなく、音楽として、ギターを弾こうが弾くまいが、楽しめるものだと思いました。
(05.12.08)

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